カーテンって、お洗濯する?しない?そもそもできる?

みなさまは、生活の中でカーテンの汚れや、お手入れ方法について気になったことはございますか?
住宅の風の通り道にあるカーテンは、実は目に見えていなくても日常の汚れが意外と多く付いています。
年末の大掃除のひとつとして、カーテンのお手入れを取り入れてみてはいかがでしょうか。

カーテンの汚れ=空気中の汚れ?

カーテンが汚れる主な原因としては、屋外からのほこり、室内のほこり、レールやサッシ、窓ガラスの汚れなどが挙げられます。
特に、日々生活する部屋の中には、小さなほこりが舞い上がっています。気づかないうちに白いレースカーテンが黒っぽくなってしまうのも、このほこりが繊維の奥深くまで入り込んでしまうことにより起こります。
ほかにも、微量の静電気によって集められたほこりや、料理や喫煙によって付着した煙も汚れの原因のひとつです。

つまり、カーテンの汚れ=空気中の汚れといっても決して大げさな表現ではないのです。
ただ、カーテンの汚れによって大きく健康被害を被るほどではございません。
もしかすると、小さなお子様やアレルギー体質、過敏症の方は窓の開け閉めなどでカーテンに触れた際に、付着した汚れが飛散することで症状がより気になることも考えられますので、注意が必要でしょう。

室内外において空気中のほこりや汚れを完全に断つことは難しいですが、
少しでも空気の汚れから解放された住空間で暮らすために、カーテンのお手入れを時々していくことが重要です。

カーテンのお手入れとは

カーテンは、ドレープ(厚手)でれば年に1度、レースであれば年に2回ほどが理想的なお洗濯の回数と言われています。
洗濯機でのお洗濯+普段のお手入れにより、空気が綺麗になるだけでなくカーテンの機能をフルで発揮したり、生地が傷みにくくなって長持ちしたりなど、嬉しいメリットがたくさんあります。

■普段したいお手入れ

まずは、カーテンに付着しているホコリをとり除きます。普段からカーテンにもハタキを優しくかけることをおススメしています。
丈の短いカーテンであれば一度レールからはずし、外でカーテンごとはらうのも汚れが落ちやすくて良いでしょう。

また、掃除機の先端にホコリ取りを設置して、ホコリを吸い取ったり丁寧にブラッシングするのも効果的です。
カーテン上部のヒダやタッセルにもホコリがたまりやすいので、そこも重点的にお掃除していきましょう。
★掃除機の場合は、吸引力を調整して生地をいためないようご注意ください。

上記でもお伝えしましたように、カーテンには空気中のホコリや料理・喫煙での煙による黒ずみが汚れの原因となっています。
これは、時間の経過とともに落ちにくくなりますので、こまめにはたくなどのお手入れをしてあげましょう。

■洗濯機でのお手入れ方法

【①】必ず洗濯絵表示を確認しましょう!
最近のカーテンは、ほとんどがウォッシャブルでご家庭の洗濯機でのお洗濯が可能です。
しかし、生地によってはクリーニングのみであったり、そもそも水洗いもクリーニングもできないという場合もございますので
最初に必ず洗濯絵表示の確認を行ってください。
また、洗濯機でお洗濯可能なカーテンであっても、洗うことで縮んだり色落ちする場合もあります。
綿・麻・レーヨンなどの素材による性質の違いや、特殊加工を施したカーテンなどがありますので素材も確認するとより良いです。
どうしても不明な場合や不安な時は、購入したカーテンショップやクリーニング店へ相談するのもおススメです。

-繊維製品取扱絵表示

2016年12月から、衣類等の繊維製品の洗濯表示が新しくなりました。
下記は、カーテンに縫い付けてあるタグの主な取り扱い絵表示です。

液温は40℃を限度とし、手洗いができます。
家庭での洗濯はできません。
液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができます。
液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができます。
酸素系漂白剤による漂白処理ができますが、塩素系漂白剤による漂白処理はできません。
塩素系漂白剤および酸素系漂白剤による漂白処理はできません。
タンブル乾燥はできません。コインランドリーやご家庭に普及している乾燥機と洗濯機の乾燥機能も含みます。
日影でつり干しをしてください。
「・・」アイロン150℃まで。
「・」アイロン110℃まで。
アイロンは掛けられません。
ドライクリーニングはできません。
ウエットクリーニングはできません。
石油系溶剤による弱いドライクリーニングができます。

【②】カーテンのフックを外します。
1本のフック全体をそのまま下に引き抜きます。
外した際に生地の傷みやほつれ等があれば手直ししておくことをおススメします。

【③】ホコリをよく払ってください。

【④】形を保つために、ジャバラ状にたたんでさらに2ツ折りにしてからお洗濯ネットにいれます。
メッシュの細かいもの、動かない適度のサイズが望ましいです。汚れ面を表側にするのもよいでしょう。
※洗濯機の容量にもよりますが、1回の洗濯で幅100cm×丈200cmの場合:厚手のカーテンなら1枚、薄手のものは2枚が目安。

【⑤】手洗いコース等の弱水流&水量は最大で優しく洗います。
水温は、常温の水か、水温40度以下のぬるま湯を目安にしましょう。
洗剤は、おしゃれ着洗い用の中性洗剤が風合いよく仕上がります。
柔軟剤は、静電気や洗濯ジワを防ぐ効果があります。香りを楽しむのも良いですね♩
漂白剤については塩素系のものならば白いレースのみにしましょう。

【⑥】脱水は、30秒~1分ほどが適当です。長くは禁物!

【⑦】脱水後は、 カーテンにフックを取り付けて、そのままカーテンレールに引っ掛けて吊り干しします。
軽く下から引っ張り、手のひらでシワを伸ばして自然乾燥させます。
この手間だけでも仕上がりがぐんと変わります。水滴が気になる場合は、床に新聞紙や、タオルをひきましょう。

重みのあるカーテンは、カーテンレールを傷めてしまうため、2本の物干し竿にM字干しをして、直射日光があたらないように日陰干ししてください。

お洗濯をすることで特にレースカーテンは今までよりもワントーン明るくなります♩

■素材について知ろう!

先ほど生地による特性を知ると、よりお手入れに役立てることができるとお伝え致しました。
天然繊維やレーヨン素材のカーテンは普段、部屋の中に吊っているだけでも伸縮が大きいと言われています。
素材の伸縮性や摩擦への耐久性などを知ることで普段の使い方はもちろん、洗い方、干し方に注意してよりカーテンを長く愛用していきましょう♩

【レーヨン】
長所:吸湿性・吸水性に優れており、染色性が良いです。光沢がありドレープ性も良いところが魅力です。
短所:水に濡れてしまうと強度が低下し、縮みやすいことがあります。シワにもなりやすいです。
★洗濯後はできるだけ早く干すのがおススメです。

【アクリル】
長所:羊毛に似た性質を持っており、軽く、風合いや保湿性に優れています。発色性も良いです。
短所:火や熱に弱いです。

【ポリエステル】
長所:強く、伸びやすい素材なのが特徴です。シワになりにくく、丈夫な素材。
短所:静電気が起きやすいため、汚れは付きやすいです。
★国内のカーテンの主要繊維で、ボイルやレースカーテンの99%はポリエステル素材です。

【綿】
長所:熱に強く、丈夫な素材です。ナチュラルな風合いや質感を持っている人気の素材です。
短所:洗濯で縮みやすく、黄変しやすいのが短所です。
★こちらも洗濯後はできるだけ早く干しましょう。

【麻】
長所:さらっとした軽い質感が特徴。丈夫でしっかりとした繊維です。
短所:シワが付きやすく、伸縮が大きい生地です。お値段も比較的高価な部類になります。

まとめ

カーテンは、日常生活の中で室内外のホコリが付着したり、煙によって黒ずみが繊維に入り込んだりと意外と汚れが付きやすい箇所となります。
日々のお掃除とともに、こまめにホコリをたはくなど軽くお手入れをしてあげることで、
生地が傷みにくくなりお気に入りのカーテンを長期間愛用して頂けます♩
また、洗濯表示を確認して可能であれば、年に1回~2回ほどご家庭の洗濯機でお洗濯をすることもとても重要です。
カーテンが美しくなるだけでなく、カーテンの機能も十分に発揮することができます。
住宅における換気のメインとなる「窓」にあるカーテンだからこそ、お手入れを行い住空間の空気を綺麗にしてみてはいかがでしょうか。

出典

東リ株式会社
日本インテリア協会
消費者庁