レースカーテンの役割とは?
レースカーテンで快適かつスタイリッシュな空間作りを。

「カーテン」といえば、厚手のドレープカーテンとその後ろに白いレースカーテンというスタイルが最も一般的にイメージされるカーテンかと思います。

引っ越しやカーテンの掛け替えの際に、なんとなく「ドレープカーテンと一緒に購入するものだから」といった理由でレースカーテンを選んでいる方が多いのではないでしょうか。

また、実店舗やネット通販でレースカーテンを見てみるとかなりの種類があり、「一体何が違うのだろう?」「どんなレースを合わせたら良いのか分からない!」と感じたことがある方も中にはいらっしゃるかと思います。

そもそもレースカーテンはどういったものなのか、どのような用途で使用されるのか、についてご紹介したいと思います。

レースカーテンとは -日本と海外の違いから-

レースカーテンとは一般社団法人日本インテリア協会によると、下記のように定義されています。
「種々の編物(レース生地)で作ったシアーカーテン。昼間の遮蔽及び調光として使われる。」

定義のように、日本ではレースカーテンはほとんどが遮蔽及び調光のために当たり前のように使用されています。
しかし、海外ではブラインド1台だけの設置だったり、厚手のカーテン自体取り付けなかったりすることも多いそうです。
特にオランダやパリが有名です。

その背景として、日本との住宅環境や文化の違いがあるようです。

海外では、下記のような環境文化が根付いているため、窓まわり商品への関心が比較的少ないと考えられます。
■インテリアにこだわりを持っている人が多く、家の中を見られても構わない(ホームパーティも多い)
■見せるという文化があり、人々もオープンで開放的(見知らぬ他人と会話をしたり家に招き入れるなど)
■日照時間が短いため少しでも採光をする必要がある

反対に日本では、
■比較的ホームパーティは少なく、他人に家を見られる機会が少ない
■見せる文化というよりは、隠す文化がある(防犯上見知らぬ人とは話さない、ついていかないという教育を受けることが多い)
■夏の暑さ、冬の寒さが厳しい

日本では、団地など密集した住宅も多いということから視線を遮りたい、家の中の人影を映しにくくしたいという実用性を考える方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
また、四季がある日本ならではの暮らしに合わせた窓まわり商品も重要になってくると思います。

そこで、レースカーテンには一体どのような機能・特徴があるのかを探ってみました。

レースカーテンの種類とは -遮蔽と調光だけではない?-

レースカーテンには主に機能性の高いレースと、装飾性に特化しているレースがあります。

まずは、機能性の高いレースについてご紹介致します。

機能性の高いレースとは

機能性に特化しているレースカーテンには主に下記のような種類があります。
ウォッシャブル、防炎、ミラーレース、UVカット、遮熱、遮像、抗菌、抗ウイルス・アレルギー、防カビ・・・など。

■機能の名称と内容について

ウォッシャブル ご家庭の洗濯機でお洗濯が可能。機能性の高いレースはウォッシャブルな生地がほとんど。
ミラーレース 日中、室外からは見えにくく、室内からは見えるレース。裏面に光沢のある糸を使うことで太陽を反射する。
防炎 消防法により定められた「防炎性能試験」に合格したカーテン。燃え広がりにくい。
UVカット 紫外線をカットしてくてるカーテン。床や家具の日焼けによる劣化の予防にも。
遮熱 外からの熱を遮る効果のあるカーテン。冷暖房効果も期待できる。
遮像 昼夜を問わず室内外から見えにくい効果のあるレース。人影をうつしにくいのでプライバシーを守ることができる。
抗菌、抗ウイルス 繊維に付着した特定のウイルスの数を減少させる効果のあるカーテン
抗アレルゲン 抗アレルゲン剤の生地の隙間にアレルゲンが入り込み吸着させる効果のあるカーテン
防カビ 防カビの効果があるカーテン

夏の強い日差しを遮ったり、花粉・ウイルスを予防したりなど日常の暮らしを少しでも助けてくれるのが機能性のレースカーテンです。

特に、日本のジメジメとした梅雨の時期には、窓に結露ができるためカーテンにカビが生えてしまうケースも耳にします。
湿気の多い地域や、気密性の高いアパートなどでは防カビのレースカーテンをおススメします。

また、セキュリティ・プライバシーの保護の面では遮像の機能があるレースが安心です。
生地の目が細かく密集した構造になっているてため、昼夜を問わず室内が見えにくく家の中の人影が分かり辛い、外出・帰宅時間を悟られないなどのメリットがあります。一人暮らしの女性にもおススメのレースカーテンです。

装飾性の高いレースとは

装飾性に特化しているレースカーテンは、比較的生地が薄く、ふんわりとした生地感や透け感を楽しんで頂けます。

|生地・柄について

装飾性のあるレースには主に刺繍、カラーレース、プリント柄、オパール生地(生地を部分的に溶かし、透かし模様を施したレースカーテン)などの種類があります。レース1枚でお部屋の雰囲気を大きく変えてくれるインテリアアイテムの1つと言えるでしょう。

※左から刺繍、オパール生地、プリント柄、カラーレース

それぞれの特徴としては、
刺繍の生地は、立体感が出るので柄・色ともに表情がはっきりとしたレースカーテンです。写真のようなカラフルな刺繍のレースカーテンを掛ければ窓ひとつでお部屋がぱっと華やぎます。

オパール生地のレースは、上記にあるように生地を部分的に溶かして製作するため、柄以外の部分は生地の透過度が高いものが多いです。そのようなレースを使用することで空間に解放感がうまれます。

プリント柄は豊富な色、デザインが特徴です。生地もほとんどがウォッシャブルなのでご家庭の洗濯機でお洗濯が可能です♪

カラーレースカーテンは、柄をプリントするものとは異なり生地全体を染色しています。ドレープカーテンの色合いと合わせても、おしゃれなインテリアとなります。

|裾について

裾のバリエーションも大きく分けて3種類あります。

      ■左から裾三つ折り(標準)、裾ウエイトテープ巻、裾エバ柄

三つ折りとは、裾10cmを2回折り返した仕様で、最も一般的なスタイルです。通常、両端に重り(ウエイト)が入っています。
裾ウエイトテープ巻とは、裾一体に細いウエイトを巻き付ける仕様です。レースカーテンの柄を裾の方まで楽しめます。見栄えも、折り返しがない分すっきりとします。
裾エバ柄は、裾にもともとデザインカットが施されており、そのまま裾を活かしてカーテンを縫製します。レース自体が華やかなのでシンプルなドレープとも相性が良いです。

■裾ウエイトテープ巻レースカーテン

装飾性の高いレースのおすすめ商品

レースカーテンのメリット・デメリットとは -機能性VS装飾性-

レースカーテンは主に機能性・装飾性に分けられ、それぞれ特徴があることをご紹介致しました。
次に、各々のメリット・デメリットを提示していきたいと思います。

機能性レースのメリット

■多機能レースも!

やはり、ただのレースではなく機能があるということは、生活するにあたり嬉しいメリットだと思います。
ものによっては、UVカット+遮熱+遮像などいくつもの機能が備わっているレースもあります。
また、抗菌・抗ウイルスの機能は今の時代かかせないアイテムといえるでしょう。

■耐久性が高い

機能性の高いカーテンは、比較的太い糸を使用して織っています。そのため、生地自体の耐久性が高くなっています。
ほとんどの場合ご家庭の洗濯機でお洗濯が可能ですし、紫外線による劣化や強く引っ張ってしまったなどによる破損も少なくなります。
頻繁に買い替えしないものだからこそ、耐久性が高いという点は重要です。

■低価格

装飾性のあるレースに比べると、機能性の高いレースの方が価格はお値打ちになります。
生地が大量生産できることや、生産工場も多いことから低価格が実現しています。

機能性カーテンのデメリット

■デザイン性が少ないことも

基本的には、しっかりとした生地感で白またはクリーム色が多く、刺繍などのデザインもないものが多いです。
窓まわりのインテリアにこだわりたい方には少し物寂しい感じがします。

装飾性レースのメリット

■デザインの幅が広い

生地の厚みや柄、裾の仕様など選択肢が豊富で、部屋のインテリアに合わせてコーディネートを楽しめます。
お気に入りの柄のレースを、厚手カーテンの手前に引っ掛けるフロントレーススタイルもとてもおしゃれです。
レースカーテンは後ろに付けるものという固定概念を取っ払ったスタイリッシュな空間を創れます。

■光や風通しが良い

ふんわりと軽い生地が多く、日の光や風が自然と入ってきます。
見た目も軽いので解放感のある空間になります。光や風にあたったレースカーテンも風情があります。

装飾性レースのデメリット

■比較的高価

機能性の高いレースに比べると、少々お値段が張ってしまいます。
中には、お値打ちな商品ももちろんありますが、特に刺繍が多く施されているレースなどデザイン性の高いものはお値段も高い場合があります。

■耐久性が弱いことも

生地の薄いレースは、細い糸で織ってあるためほつれや破れが起こりやすくなります。
日々の開閉による動きもそうですが、強く引っ張るなどの衝撃が加わると破れてしまう可能性もあります。

まとめ

レースカーテンは、「種々の編物(レース生地)で作ったシアーカーテン。昼間の遮蔽及び調光として使われる。」と定義されており、日本では主に機能性に特化したレースと、装飾性に特化したレースの2種類に分けられます。
機能性の高いレースは、遮熱、遮像、抗菌・抗アレルギーなど日々の生活の役に立つ性能を兼ね備えています。日本の四季や地域性を考慮して購入することで快適なお部屋を創る手助けとなります。
装飾性の高いレースは、刺繍やプリント柄など豊富な色・デザインからコーディネートを楽しむことができます。デザイン性のあるレースを取り入れることでワンランク上のスタイリッシュな空間が期待できます。
お部屋における面積が大きい窓だからこそ、自身の生活環境に合った窓まわり商品の選択が重要です。

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出典

東洋経済
日本インテリア協会
㈱サンゲツ